足立車検場の向かい「そば政」天ぷらそば490円をずずずっっっ。
電車の最寄り駅は、つくばエクスプレスの六町駅、ここから20分以上。公共交通機関利用なら、綾瀬駅と竹ノ塚駅を結ぶバスを使うのが便利かも。足立車検場の前と言っても、賑わう幹線道路沿いではなく、住宅がのんびり立ち並ぶのんびりした地域で、こちらのお店もそれほど目立つ存在ではありません。しかし、路麺ファンの間では東京屈指の名店との誉れ高いお店なのです。私も「年に1回はこのお店を訪れるべし」とまで薦められてたのですが、なんせ私の家からは行きにくい場所の上、平日(正確には月~木曜)の7:30~12時までという営業時間。その上、私2度臨時休業でフラれてるんですよ。。3度めの正直、やっとおじゃますることができました。
郊外にありがちな年季の入った飲食店の店構え、しかし暖簾をくぐるとぷんと揚げ油のいい香りが鼻に届きます。節の香りのするお店というのは少なからずありますが、油、それも香ばしくも軽い香りのお店というのはなかなかないんじゃないでしょうか。店内はやや薄暗くかなり年季がはいっていますが、手入れもしっかりされています。そしてカウンター席のみで結構広いのにほぼ満員。お店の奥には製麺機があります。
入口脇の券売機で食券購入。メニューはもり・かけそば350円に始まり、たぬき、冷したぬき、なめこおろし、冷肉、天ぷら、鴨南、そして天丼とかなり厳選かつまっとうなラインナップ。私は初志貫徹の天ぷらそばを選びましたが、もりに天丼(天丼セット)というオーダのお客さんが後に続きました。タイミングゆえか冷たいお蕎麦のオーダが多かったようです。
原則注文都度茹でて揚げられているのでしょう、しばらく待ってようやくご対麺。麺は細めで透明感があり、蕎麦独特の風味がきちんとあります。いわゆる「コシ」も程よいにゅっとした食感も備え、のどを通り過ぎるときのあのここちよさも楽しめます。このクオリティはもう事件といっていい、自家製麺だからできる技でしょう。かけ汁も絶妙、ガンガン鰹節が香るタイプではなく、むしろ風味をできる限り出汁に閉じ込めた純度の高い出汁、これもきちんと手をかけて取られているのでしょう。蕎麦の風味を後押しすることこそが汁の置かれた立場であることをよくわきまえ、甘さや塩気を含ませながらも出しゃばりすぎません。そして、量もなかなか。。
かき揚げも玉ねぎのほかにゲソや海老が入ったもの。火の通しぐあいもみごと、玉ねぎの甘さとゲソの旨味、そこに海老の食感と香ばしさが加わり、口の中で渾然一体となります。この天ぷらもいいなぁ。そしてこの天ぷらは間違いなくご飯とも合うなぁ。。
大きな陶器の急須に入れられた蕎麦湯で一息。東京屈指の路麺店の評に偽りなし、普通の町中の蕎麦屋さんと比べても遜色ない立派な一杯の余韻を楽しみます。場所がら、車検場へ仕事で来た方がメインのお客さんでしょうけれど、明らかにご近所らしいおじいちゃんや、夫婦でいらっしゃってたりという姿も目立ちました。ああ、次にお邪魔するときはセットだな、鴨南も捨てがたいか、というか全メニュー制覇したい。ごちそうさまでした。
ラベル:足立区