2017年11月22日

今井橋そば〔一之江〕




旧江戸川にかかる今井橋近く、篠崎街道沿い「今井橋そば」天ぷらそば 300をずずずずっっっ。



城東電車江戸川線あるいは都電26系統、またはトロリーバス26系統、と言ってもピンと来る人はもうほとんどいないでしょうか。平成初期までは代替として上野から都バス上26系統が「今井」の行き先を掲げて走っていたことすら既に古い話となってしまいました。江戸川区に住んでいる方なら、今井街道という名前は聞いたことがあるかもしれません。今井は橋を渡れば千葉県という場所、東京湾にも近く近くには屋形船の看板も出ています。おそらくその昔は漁村だったのでしょう。

こちらのお店が開業した昭和54年は、今井橋が現在の新道にかけ変わったタイミング。既にトロリーバスは廃止され、車庫はバスの車庫に転用されていた頃。かけそば180円というお値段は、つい最近までずっと変わらなかったというから驚きです。なんせ、ここのかけそばが値上げされたときは、路麺ファンの間に衝撃が走ったほど。それでも230円ですから、まだまだ安いものです。

道路を挟んで少し行くとすぐ江戸川、という場所。住宅街には高い建物はなく、青いトタン屋根のこちらのお店はどこかのんびりした空気が漂います。かつての漁村だった空気感がまだ少し残っているのかもしれません。のんびりした空気はお店の外だけではありません。店内はL字型の厨房と、壁側のカウンター席のみ。「天ぷらそばお願いします」と声をかけると、おやじさんが調理に取り掛かります。麺を湯がき、しっかり湯切りをして丼へ、その上に準備されていたかき揚げを載せ、さらにその上から汁を。そう、天ぷらの上から汁を張るスタイル、天ぷらはサクサクではなくズブズブ前提ということです。レバーがいい味を出している冷水機でコップを満たし、こちらも準備OK。

ではいただきましょう。このお値段なのにワカメがデフォルトで入ってますよ。やや白い麺は柔らかいけれどボソボソと切れることなく、するりと胃に収まります。汁はやや濃い目で甘さもしっかりあり、それでも後口はすっきりしています。

「うちのそばは白いでしょ、山芋(の粉)が入ってるんだ」なんて声が聞こえてきて、おやと振り向くと、おやじさんがニコリ。常連さんが「かき揚げもいいねぇ」と言えば「そうだよ揚げたてなんだから」どうやら、揚げてそう時間が経っていないらしい。そう言われると汁にひたってふやけて入るけれど、たしかにザクッとした食感が少し残っていて、熱された海老のいい風味が口に広がります。そうだ、こちらのおやじさんはお客さんと喋るのが好きなんだった、と20年ほど前に立ち寄った記憶が蘇ってきました。

奇跡、という言葉を安易に使いたくないけれど、このお店は間違いなく奇跡の路麺店。そっと、ずっと続いてほしいなぁ。ごちそうさまでした。



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posted by kennny at 00:00| Comment(0) | 江東区・江戸川区 | 更新情報をチェックする
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